治療と生活のこと

生活と治療 ~その他~

肺がんの治療を続けるなかでは、治療の効果や副作用による影響、今後の見通しなど、さまざまな悩みを抱くことがあるでしょう。そのような不安を少しでも軽くすることが、前向きに治療を続けながら生活していくことにつながります。
どのような不安も、がまんしたり、ひとりで抱え込んだりせず、どうか周囲に伝えてください。
きっと、あなたの生活を豊かにしてくれる工夫やヒントが得られるはずです。

自分と同じ病気の方が、どのように生活しているか気になります。
他の患者さんの話は参考になるのでしょうか?

同じ経験を持つ方の話を聞くことで、治療しながら生活を続けるための情報や工夫、また、共感や安心を得られることも多いようです。
患者さん同士が出会える場として、同じ病気を持つ方や家族が集まる「患者会」や「患者サロン」、がん経験者が患者さんを支援する「ピアサポート」などがあります。あなたが受診している病院にそのような場があるか、医師や看護師に聞いてみましょう。地域のがん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに問い合わせたり、インターネットで情報を得たりする方法もあります。
また、がんの治療をしている患者さんが、ブログなどで体験談を公開していることもあります。病気との向き合い方や乗り越え方、治療をしながらの生活の様子などを参考にすることができるかもしれません。ただし、同じ病気でも症状や進行のしかた、副作用のあらわれ方などには個人差があるため、その方の体験があなたにもあてはまるとは限らないことを理解しておきましょう
ご自身がご自分のからだの状況を理解するために治療日誌を活用する方法があります。薬物療法を受ける際には、使用するおくすりによって副作用が出現しやすい時期を推測できる場合もあります。治療日誌などにより体調の変化を記録しておくと、自宅での状況や日々の変化をまとめて医療関係者に伝えやすくなりますさらに治療のスケジュールについて医師と相談する際症状の変化に合わせ、趣味や旅行など未来の予定を希望することもできるでしょう。

副作用で外見が変わってしまうのが不安です。
どうしたらよいですか?

抗がん薬による副作用で脱毛爪や皮膚のトラブルなど外見に変化がみられることがありますただ脱毛には医療用ウィッ(かつらや帽子など爪や皮膚の変色にはメイクや衣類などさまざまな工夫をすることができるでしょう。特に、まゆ毛などの脱毛で顔の印象が変化する方もいらっしゃいますが、メイクの仕方を工夫することで、印象がずいぶん変化するといわれています。
現在では、多くの病院でアピアランス(外見)ケアの取り組みをおこなっています。安心して、快適に過ごす方法を見つけるため、看護師やがん相談支援センターのソーシャルワーカーなどに相談することもできます。

外出や旅行などをしてもよいですか?

治療が一段落し、体調もよければ、気分転換も兼ねて外出や旅行をしたくなることもあるかもしれません。まずは医師に相談し、外出や旅行をしても問題ないか、する場合はどんなことに注意が必要か、などを確認しましょう。
また、退院後もおくすりの服用が必要な場合、使用するおくすりによって、飲む時間が決まっているものや、食前・食間・食後など、おくすりの服用時間に注意が必要なものもあります。
外出や旅行をする際にも、医師や薬剤師の指示はしっかり守り、決められた通りにおくすりを服用することを忘れないようにしましょう。

万が一、災害が起こったら、治療はどうなりますか?

災害は、いつどこで起こるかわかりません。医療機関では、大規模災害に備えて対策をおこなっていますが、自分でも備えをしておくことが大切です。
その一つとして、病名と治療の情報(使用しているおくすりの名前、前回の治療日、血液検査の結果など)を手帳などに記録しておきましょう。携帯電話でおくすりや処方箋の写真を撮って保存しておくと便利です。また、災害時の治療や対応について、医師に聞いておくとよいでしょう。
災害時には、いつも通っている病院でがんの治療が受けられないこともあります。その場合は、地域の「がん診療連携拠点病院」のがん相談室に連絡しましょう。最寄りのがん診療連携拠点病院を調べておくと安心です。

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