原発性免疫不全症(PID)とは?
どのくらい患者さんがいますか?
全国における推定患者数や年齢、性別差について解説しています。
監修 : 東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
全国で推定2,900人以上
平成20年に実施された全国調査によると、患者数はおよそ2,900人1)以上(10万人当たり2.3人)と推定されています。しかし、難病には未診断例が少なからず存在することから、実際にはこの2~3倍の患者さんが存在している可能性があります。
何歳くらいで発症する病気ですか?
発症年齢は病気によって異なりますが、抗体の異常による病気では母親から胎盤を通して移行した抗体がなくなる生後3ヵ月から2歳頃、好中球やT細胞機能の異常による病気では生後早期から症状が現れる場合が多いです2)。診断技術が進歩したことから、最近では小児期に限らず幅広い年齢層で診断されるようになっています3)。
生まれる赤ちゃんに発症する割合はどのくらいでしょうか?
出生10,000人当たり1人の割合で生まれるとされています2)。
性別に差はありますか?
男性のみに発症する病気があり、性差が確認されています2)。
1)Ishimura M et al.: J Clin Immunol. 2011; 31: 968-976.
2)難病情報センターホームページ(2022年12月現在)https://www.nanbyou.or.jp/entry/95
3)岡本圭祐 ほか. 医学のあゆみ 2021; 277: 817-823.