原発性免疫不全症(PID)とは?
PIDになるとどうなるの?
PIDになるとどのような症状が出るのかを分かりやすく解説しています。
監修 : 東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
感染症にかかりやすくなる
PIDの患者さんは、生まれつきの免疫系の障害のため、感染症にかかりやすくなります。障害のある免疫系は病気によって異なりますが、“感染症にかかりやすくなる”という点はどの病気にも共通しています。例えば、気管支炎や肺炎、中耳炎、副鼻腔炎などに一度かかると、くりかえすことが多く、発熱や咳がいつまでも続いたり、入院が必要になることもあります。このように感染症にかかりやすくなることを易感染性(いかんせんせい)といいます。重症なPIDでは、感染症をこじらせて致死的となることもあります1)。
またPIDのなかには、炎症 、湿疹、自己免疫症状、リンパ節の腫れ、がん、アレルギーなどが現れる病気もあります1)。
症状が出やすい体の部位
PIDの症状は、全身の様々な部位に現れる可能性がありますが、特に体外と接する、のどや鼻、皮膚、肺、消化管などに比較的多く現れます。それ以外は、皮膚の下など、普通はあまり見られない部位に症状が現れることも、PIDの特徴です2)。
1)難病情報センターホームページ(2022年12月現在)https://www.nanbyou.or.jp/entry/95
2)戸澤 雄介 他: 小児科診療. 2020; 3(17): 299-305.