武田薬品工業株式会社

PIDと診断されたら

PIDと診断されたら
知っておきたい「医療費助成制度」

PIDと診断されたら知っておきたい医療費助成制度について詳細を解説しています。

PIDの患者さんを対象とした医療費助成制度には、小児慢性特定疾病における医療費助成制度指定難病における医療費助成制度の2つがあります。一定の条件を満たした場合、年齢に応じてどちらかの制度が利用できます。いずれの制度も、患者さんが窓口で支払う金額の上限が総医療費の2割となるほか、月当たりの自己負担の上限額が設定されます。このほかに、高額療養費制度も利用できます。

公的医療保険(健康保険)でもともと2割負担、1割負担の人は、そのままとなります。

18歳未満の患者さん:小児慢性特定疾病における医療費助成制度

利用する患者さんの年齢

18歳未満
(18歳到達時点で小児慢性特定疾患治療研究事業の対象になっていて、かつ、18歳到達後も引き続き治療が必要とされる20歳未満の患者さんも含まれます。)

申請の方法

都道府県等に患者さんの保護者が申請
(18歳以上20歳未満の患者さんについては成人患者本人が申請)

申請の窓口

お住まいの地域を所管する健康福祉センター、保健所 等

都道府県・指定都市担当窓口:小児慢性特定疾病情報センターサイトへ
保健所管轄区域案内:厚生労働省サイトへ
認定を受けられる条件
  • 小児慢性特定疾病にかかっている18歳未満の児童等(PIDに関連する疾患は、以下のリンク内「10免疫疾患」に含まれます。
    対象疾患一覧
  • かつ治療で補充療法、G-CSF療法、除鉄剤の投与、抗凝固療法、ステロイド薬の投与、免疫抑制薬の投与、抗腫瘍薬の投与、再発予防法、感染症予防療法、造血幹細胞移植、腹膜透析または血液透析のうち1つ以上を実施する場合
認定を受けたときの医療費の自己負担
  • 患者負担割合は2割が上限
    (健康保険における負担割合がもともと1割または2割の人は、その割合が適用されます。)
  • ひと月の自己負担は上限額の範囲内()。(指定難病の制度と比較して、自己負担が約半分)
認定の有効期限
  • 原則1年以内
  • 1年ごとに更新の申請が必要(治療を継続する場合は、助成期間満了前に更新手続をする必要があります。)
その他の注意事項

対象疾患名として認定

小児慢性特定疾病の医療費助成に係る自己負担上限額(月額)
階層区分 階層区分の基準 自己負担上限額(外来+入院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
生活保護法の被保護世帯 0 円
低所得 I 市町村民税
非課税
保護者の年収が
80万円以下
(患者が18歳以上の
場合は患者本人の年収)
1,250 円 500 円
低所得 Ⅱ 保護者の年収が
80万円超
(患者が18歳以上の
場合は患者本人の年収)
2,500 円
一般所得 I 市区町村民税7.1万円未満 5,000 円 2,500 円
一般所得 Ⅱ 市区町村民税7.1万円以上
25.1万円未満
10,000 円 5,000 円
上位所得 市区町村民税25.1万円以上 15,000 円 10,000 円
入院時の食費 1/2自己負担

重症 ①高額な医療費が長期的に継続する者(医療費総額が5万円/月(例えば医療保険の2割負担の場合、医療費の自己負担が1万円/月)を超える月が年間6回以上ある場合)、②現行の重症患者基準に適合するもの、のいずれかに該当

18歳以上の患者さん:指定難病における医療費助成制度

利用する患者さんの年齢

18歳以上
(18歳到達時点で小児慢性特定疾患治療研究事業の対象になっていて、かつ、18歳到達後も引き続き治療が必要とされる20歳未満の患者さんは「小児慢性特定疾病における医療費助成制度」の対象となります。)

申請の方法

都道府県等に患者さん本人または保護者が申請

申請の窓口

お住まいの地域を所管する健康福祉センター、保健所 等

都道府県・指定都市担当窓口:難病情報センターサイトへ
保健所管轄区域案内:厚生労働省サイトへ
認定を受けられる条件

いずれかを満たす場合

  • 症状の程度が一定以上である(重症度分類で中等症以上)または
  • 医療費の総額が33,330円を超える月が年間3回以上ある(軽症者において高額な医療を継続することが必要な場合の特例措置)
    (例えば、加入している健康保険の自己負担割合が3割の場合、自己負担額の合計が1万円以上になった月が年間3回以上ある場合に該当します。)
認定を受けたときの医療費の自己負担
  • 患者負担割合は2割が上限
    (健康保険における負担割合がもともと1割または2割の人は、その割合が適用されます。)
  • ひと月の自己負担は上限額の範囲内(
認定の有効期限
  • 原則1年以内
  • 治療を継続する場合は、1年ごとに更新の申請が必要
その他の注意事項

「原発性免疫不全症候群」として認定

指定難病の医療費助成に係る自己負担上限額(月額)
階層区分 階層区分の基準 自己負担上限額(外来+入院)
一般 高額かつ長期 人工呼吸器等装着者
生活保護法の被保護世帯 0 円
低所得 I 市町村民税
非課税
患者本人の年収が
80万円以下
2,500 円 1,000 円
低所得 Ⅱ 患者本人の年収が
80万円超
5,000 円
一般所得 I 市区町村民税7.1万円未満 10,000 円 5,000 円
一般所得 Ⅱ 市区町村民税7.1万円以上
25.1万円未満
20,000 円 10,000 円
上位所得 市区町村民税25.1万円以上 30,000 円 20,000 円
入院時の食費 全額自己負担

高額かつ長期:階層区分が一般所得I以上の者について、支給認定を受けた指定難病に係る月ごとの医療費総額について5万円を超える月が年間6回以上ある場合

申請から認定までの流れ

医療費助成を受けるには、主治医(難病指定医)より交付された診断書と必要書類を合わせて都道府県等の窓口(保健福祉担当課や保健所等)で医療費助成を申請します。都道府県等が申請を認定すると、患者さんには「医療費受給者証」と「自己負担上限額管理票」が交付されます。指定医療機関で「医療費受給者証」と「自己負担上限額管理票」を提示することで、医療費の助成が受けられます。

高額療養費制度

医療費助成制度を利用しない患者さんや、認定を受けられなかった患者さんでも、高額療養費制度を利用することができます。
医療費の一部負担金が高額になったときは、まず高額療養費制度が適用され、窓口における患者さんの自己負担額は下図の(A)であり、患者さんが実際に自己負担するのは下図の(B)のみです。
払い戻しには診療月から3ヵ月以上かかるため、払い戻しまでの医療費の支払いに充てる資金として、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸付する高額医療費貸付制度もあります。
さらに負担を軽減する仕組みとして世帯合算や多数回該当などの制度や、窓口における患者さんの支払いを限度額までにとどめることができる「限度額適用認定証」などを事前に申請することで交付してもらうこともできます。各制度の詳細については厚生労働省サイト「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をご参照ください。

患者さんの負担限度額は年齢や所得により異なります。