あなたの高血圧はどのタイプ?

隠れ高血圧ともいうべき「仮面高血圧」

健康診断などで血圧測定をした結果、正常な値の範囲に入っていれば、誰でも安心してしまうもの。 しかし、血圧は1日の中でも時間帯や環境で変わりやすく、測ったその時は正常な値が出ても、それ以外の時間帯で血圧が高くなっている場合があるのです。

例えば家庭にある血圧計で、朝に血圧を測ったときは高くても、昼に病院などの診察室で測ると、正常な値となっていることがあります。
このように、「診察室で測る血圧は正常なのに家庭で測る血圧が高く、診察室での測定だけでは高血圧であると分からない状態」を、仮面をかぶったように本当の姿がかくされていることから「仮面高血圧」と呼びます。

仮面高血圧の人では、脳卒中や心筋梗塞などの病気が起きる可能性が、診察室高血圧の人と変わらないということがわかっています。

家庭血圧計をお持ちの方は、寝る前や朝起きて1時間以内などのタイミングで血圧を測定してみましょう。
診察のときに測った血圧では高血圧と診断されなかった人でも、何回か家庭で血圧を測定し、その平均が下表の値のときには「仮面高血圧」の可能性があります。


(出典:高血圧治療ガイドライン2019より改変作図)

家庭血圧による高血圧の診断

収縮期血圧(上の血圧)...135mmHg以上
かつ/または
拡張期血圧(下の血圧)...85mmHg以上

(出典:高血圧治療ガイドライン2019より作成)

診察室で測る「診察室血圧」と、家庭で測る「家庭血圧」では、リラックスした家庭血圧のほうが低い値で高血圧とみなされるので、注意が必要です。 どちらも重要な値です。

診察室血圧による高血圧の診断

収縮期血圧(上の血圧)...140mmHg以上
かつ/または
拡張期血圧(下の血圧)...90mmHg以上

(出典:高血圧治療ガイドライン2019より作成)

診察室での血圧が低くても、家庭での血圧が高い場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。

詳しくみると仮面高血圧は、血圧が上がる時間帯や環境によって、次のように分類されます。

早朝高血圧 早朝の血圧が高い状態
夜間高血圧 夜の寝ている時間帯の血圧が高い状態
昼間高血圧
(ストレス下高血圧)
からだに精神的、または肉体的なストレスがかかっているときの血圧が高い状態(例えば、職場高血圧など)

(出典:高血圧治療ガイドライン2019より作成)

  • ※なお、すでに通院している人であれば、医療機関で貸し出された機器で、まる1日の血圧を測ること(24時間自由行動下血圧測定:ABPM)によって、仮面高血圧と診断されることもあります。