あなたの高血圧はどのタイプ?

眠っている間の血圧に注意「夜間高血圧」

1日の中で、上がったり下がったりする血圧。
正常であれば、夜に眠っている間の血圧が1日の中でもっとも低く、安定した状態になっています。
ところが、このパターンが当てはまらず、夜に血圧が下がらない状態になることがあります。
これは「夜間高血圧」と呼ばれ、診察室や家庭での日中の血圧測定だけでは、発見することはできません。
夜間高血圧には、次のようなタイプがあります。

夜間昇圧型(riser) 昼間より、夜間のほうが血圧が高くなるタイプ
夜間非降圧型(non-dipper) 夜間に血圧があまり下がらないタイプ

(出典:高血圧治療ガイドライン2019より作成)

これらはいずれの場合も、脳や心臓、腎臓などの臓器に負担がかかり、病気が引き起こされやすいと考えられています。

朝起きたときの血圧が高い早朝高血圧の中には、この夜間高血圧が早朝まで続いた「夜間高血圧持続タイプ」の場合もあります。

夜間の血圧は、まる1日の血圧を測る24時間自由行動下血圧測定(ABPM:※)か、あるいは夜間の血圧を自動的に測定できるタイプの家庭血圧計で知ることができます。
それらの血圧計で睡眠中の血圧を測定して、測定結果の平均が次の基準を満たしていると、夜間高血圧と診断されます。

収縮期血圧(上の血圧)...120mmHg以上
かつ/または
拡張期血圧(下の血圧)...70mmHg以上

(出典:高血圧治療ガイドライン2019より作成)

夜間高血圧と診断されたら、医師のアドバイスをしっかり守りましょう。
食事で摂る塩分の減量や、排尿を促す利尿薬が処方されたりします。
また、降圧薬を飲んでいる方であれば、服薬のタイミングを変更する指示が出されることもあります。

※24時間自由行動下血圧測定(ABPM)は、医療機関で貸し出された機器で測定します。

夜間高血圧を引き起こす原因としては次のものがあるので、当てはまる方は特に注意してください。

  • ○睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害
  • ○心不全や腎不全などによって起きる、体内を循環する血液量の増加
  • ○糖尿病などによる自律神経障害(立ち上がったときに血圧が急激に下がる起立性低血圧など)
  • ○抑うつ状態
  • ○脳の病気(認知機能低下、脳血管障害など)