武田薬品工業株式会社

PID患者さんとご家族へのインタビューへ

周囲とのコミュニケーション
子どもの頃はPIDのことをオープンにしない選択肢もある

小学校の頃は、偏見やいじめのことを心配して、PIDのことは友達には隠していました。無理にオープンにせず、周囲に伝えるタイミングは本人に任せるのも一つの手だと思います。

長谷部 絢也さん(40歳代)

原発性免疫不全症(PID)の病型は、先天性無ガンマグロブリン血症

子どもの頃はPIDのことをオープンにしない選択肢もある

小学校の頃は、担任の先生には伝えていましたが、偏見やいじめのことを心配して、PIDのことは友達には隠していました。大人になってからもそれでよかったと思っています。子どもの頃は、心ない発言を受けて傷つくこともありえますし、無理して病気のことを周囲に伝えなくてもよいと考えています。無理にオープンにせず、親子で考えて、周囲に伝えるタイミングは本人に任せるのも一つの手だと思います。

周囲のサポートに対しては必ず感謝の言葉を伝える

ただ、体調が悪いときは必ず来ますので、周りにずっと隠しているわけにもいかないと思います。私は大人になってから少しずつPIDのことを周りに打ち明けるようになり、今は、私が子どもの頃からPIDという病気で肺炎になりやすいことや、よく出る症状などについて友人はみんな知っています。打ち明けてからも特に偏見や差別はなく、普通にみんな接してくれています。一緒に歩いていても「ゆっくりでいいからね」と声をかけてくれたり、雪が降ったときには、頼まなくても自分から除雪しに来てくれたり、とても助かっています。
家族や友人の助けを借りることなく、一人で頑張っていくのはつらいと思います。そのため、私はPIDのことを打ち明けて、無理せず助けてもらうようにしています。ただ、周りの人たちとの関係を良好に保つためにも自分は病気だから助けてもらうのは当然だとは思わず、助けてもらったときに感謝の言葉を伝えることも大切にしています。

横のつながりを大切に

最近は、町に恩返しをしたいという想いもあり、地元の消防団や商工会議所の青年団に加入しています。業種もさまざまで、横のつながりができ、いろいろな人の話が聞けて、いいストレス解消になっています。病気のことで落ち込むこともありますが、家に引きこもらずいろいろな人と話すことは、人生を充実させるためにも大事だと思っています。