武田薬品工業株式会社

PID患者さんとご家族へのインタビューへ

日々の生活
在宅酸素療法を取り入れ、前向きに毎日を過ごせるように

在宅酸素療法を行っています。外出時にはリュックを背負うことになりますが、酸素ボンベのおかげで体が楽になり、治療にも前向きに取り組めています。

吉永 安公子さん(30歳代)

原発性免疫不全症(PID)の病型は、分類不能型免疫不全症(CVID)

感染症を必要以上に恐れないでいい、という主治医の言葉

肺炎で入退院を繰り返してきたので、以前は同じ部屋にいるだけで菌をもらってしまうのではないかと考えてしまう時期がありました。家族でさえご飯を一緒に食べると感染リスクになるのではないか、とびくびくしながら毎日を過ごしていました。どうしても感染のことが頭をよぎり、必要以上に人との距離を置きがちでした。今は主治医の先生が「治療を受けているのだから、普通の人と変わりない程度にご飯を食べたり、お風呂に入ったりしていいんだよ」と言ってくださったので安心して家族の近くで生活できるようになり、うれしいです。

在宅酸素療法を取り入れ、前向きに毎日を過ごせるように

今は肺炎を繰り返したことによる低酸素状態のため、在宅酸素療法を行っています。PIDの主治医の受診に加え、同じ施設の呼吸器内科を受診しています。外出時には酸素ボンベを使用する必要があり、リュックで背負って外出しています。酸素ボンベ用のリュックの横幅が広いこともあり、周囲にぶつからないか、気をつかいながらバスや電車に乗っています。体を動かすと、人と比べて息切れしやすいし、リュックを背負って動く制限もあるのですが、酸素ボンベがあるおかげで毎日を過ごせていると思っています。
先生に在宅酸素療法を提案されると、どうしても「重病人に見られるのではないか」、「一回始めるとやめられなくなるのではないか」など開始することに不安を感じる人もいるかと思いますが、酸素ボンベのおかげで毎日を過ごせ、治療にも前向きに取り組めていると私は感じています。治る・治らないを考えるのではなく、病気とうまくつきあいながら前を向いて生きていくことが大切なのだと思います。今どうすべきかを考え、体が楽になる方法として、躊躇せずに酸素ボンベを始められたことに悔いはありません。
以前は外出すると、次の日がつらいことが頻繁にありましたが、そういうことが少しずつ減ってきています。日常のことがきちんとできるようになってから、次のステップに進もうかと考えています。具体的には、朝起きて、3食のご飯も自分で作ってという普通の主婦ができる家事を毎日できるようになり、生活の基礎が整ってくれば次のステップとして仕事に就くことも考えたいと思っています。