造血幹細胞移植を知る
造血幹細胞移植は、高い治療効果が期待できる反面、さまざまな感染症をはじめとする合併症を引き起こすリスクも高まります。
造血幹細胞移植を受けた患者さんは、移植前に行う大量の抗がん剤投与や全身への放射線照射の影響によって、あるいは合併症予防のために投与する薬剤の影響によって、細菌・真菌(カビ)、ウイルスなど感染症の原因となる病原体に対する抵抗力が低下します。
また、ドナーから提供された造血幹細胞を移植した患者さんは、免疫反応による合併症を起こすことがあります。そのほかにも、移植に関連して起こる合併症が知られています。
このような理由から、造血幹細胞移植を受けた患者さんは、数年間にわたって感染症をはじめとする合併症への注意が必要となります。
最近では、造血幹細胞移植の実施件数が増加し、移植後の感染症をはじめとする合併症の管理方法も進歩してきました1)。
患者さんが移植後の生活の質(quality
of life:QOL)を維持していくためには、適切な予防対策や治療・ケアにより、移植後の感染症をはじめとする合併症の管理を行っていくことが重要です。
本サイトでは、造血幹細胞移植後の感染症をはじめとする合併症について紹介しています。
造血幹細胞移植をお考えの方・ご家族の皆様にとって、造血幹細胞移植後に起こる可能性のある感染症をはじめとする合併症とは何か、どのような予防対策や対処法があるのかを知る一助となれば幸いです。
監修:内田 直之先生 国家公務員共済組合連合会虎の門病院 血液内科 部長