武田薬品工業株式会社

PID患者さんとご家族へのインタビューへ

疾患と共に生きる人生の捉え方
落ち込んだ時期、こころの支えとなった「できたノート」

母の提案で、その日できたこと、いつかやりたいことをノートに書いてみたら、疾患があっても前向きに頑張る自分を褒めて肯定できるようになりました。

吉永 安公子さん(30歳代)

原発性免疫不全症(PID)の病型は、分類不能型免疫不全症(CVID)

落ち込んだ時期、こころの支えとなった「できたノート」

診断されたときは、なぜ私なのだろう、なぜこの病気になってしまったのだろうとひどく落ち込みました。子どものころから肺炎や気管支炎で入退院を繰り返してきたので、これが当たり前だと思っていましたが、もっと早く検査を受けてもっと早くPIDに気づけばよかったのにと考えました。
しかし、今は、この病気とつきあっていくために、前を向いて進めるようになりました。きっかけは母からのある提案でした。
私の母は、働き者で明るく、どんなことに対してもとても前向きで行動的な女性です。その母が「できたノート」を書いてみればと提案してくれたのです。「できたノート」は、その日できたことや、実現しなかったことでも「いつかこれをやりたい」という強く希望する想いも含めて未来予測として書くノートです。母は楽しく一日を送る方法を考えてくれたのだと思います。もう2年くらい書き続けています。最近、ずっと書き続けてきた強い願いが一つ叶いました。とてもうれしかったです。
「できたノート」に未来のことが書けないときでも、今日できたこと、例えば、洗濯物を取り込めました、たためました、などその日に起きた日常のささいなことを書くこともあります。できないことを書くよりもできたことを書いた方が、次の日につながるプラスのことだと捉えられます。そんなふうに疾患があっても前向きに頑張る自分を褒めて肯定する時間は大事だと思っています。