疾患と共に生きる人生の捉え方
病気に対する想いや体験は、一人ひとり違うという視点を持つことが大事
「同じ病気で同じ症状を抱えていても、一人ひとりは別の人間で、別の体験をしている。」そう意識することで、自身の体験したことに十分な共感を得られないときも、気持ちが割り切れるようになりました。
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Nさん(40歳代)
原発性免疫不全症(PID)の病型は、分類不能型免疫不全症(CVID)
同じ病気・同じ症状であっても、気持ちを理解してもらえるとは限らない
公認心理士/臨床心理士として、難病患者さんのサポートを行っており、病気はそれぞれ違いますが、数名の患者さんとグループを作っています。そのグループで話しているとわかるのですが、同じ病気の患者さんであるにもかかわらず、違う症状だったり、また、反対に違う病気なのに、よく似た症状があったりすることがあります。同じ病気で同じ症状でも、病気に基づく体験は一人ひとり異なっています。気持ちを理解してもらえないことも多く、「その症状は、それほど痛くはないよね」といった心ない言葉をかけられてしまうこともありました。
病気に対する想いや体験は、一人ひとり違うという視点を持つことが大事
病気を抱えている方同士で話をする機会があると思いますが、病名や症状などお互い共通する部分は見つけやすく感じます。それはお互い共通する部分以外の体験が異なるからこそ、共通する部分が際立ちやすいのだと思います。一人ひとりが別の人間だと意識して、仮に同じ症状だとしても、想いや感じ方はそれぞれ違っていて、別の体験をしているという視点を持つようにしています。私は自身の体験したことに十分な共感を得られないときも、そう考えて気持ちが割り切れるようになりました。
日々生きているだけで頑張っていると自分を褒めることで楽になれる
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みなさん、日々生活しているだけで頑張っていると思います。仕事をしていなくても倦怠感があったり、痛かったりすることがあると思います。日々、症状を抱えながら生活しているだけでも頑張っていると思うので、「自分も頑張っているな」、「そんなに捨てたものじゃないな」と自分を褒めて認めることも大事だと考えています。