臓器移植知る

臓器移植について

臓器移植とはどのような治療か1)

臓器移植とは、重い病気や事故などによって臓器(心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸など)が障害されて機能を失い、そのままでは命に危険が及んだり、生活に大きな支障がでたりするようなときに、他者からその臓器の提供を受けて快復を図る医療です。そして、臓器移植は、臓器を提供するドナーの方の善意で成り立つ医療です(「臓器提供について」参照)。

臓器移植の対象となる人とは1)

臓器移植の対象となる人とは、現在の医学で考えられる臓器移植以外の内科的・外科的治療を行っても治らないほど、臓器が障害されて機能しなくなり、臓器移植しか有効な治療法がない人です。
臓器移植を行うかどうかは、移植によって余命の延長や生活の質(quality of life:QOL)の改善が期待できるかなどを考慮して判断されます。
移植を行うことで余命が短くなったり、QOLが悪くなったりすると考えられる場合には、移植の対象とはなりません。
また、臓器移植後は免疫抑制薬を飲み続ける必要があります。
そのため、移植手術や移植後に服用する免疫抑制薬などによって悪影響を受けるリスクが高い場合(全身性の感染症がある、未治療のがんがある、がんの再発リスクが高いなど)には、臓器移植の対象となることが難しくなります。

出典

  • 1)一般社団法人 日本移植学会ホームページ_一般の方.http://www.asas.or.jp/jst/general/(2024年5月1日アクセス)

監修:石田 英樹先生 東京女子医科大学病院 移植管理科 泌尿器科 教授