〈生体ドナーとして臓器を提供する場合の主な医学的条件〉3,4)
- 原則レシピエントと血液型一致※2・適合※3している(血液型一致・適合しない場合でも移植できる方法はある)
- 提供する臓器の機能が正常である
- 感染症やがんなどがない
- 臓器提供手術によって命に危険が及ぶ可能性のある病気がない
など
臓器移植を知る
臓器移植では、臓器を提供する人を「ドナー」、臓器提供を受ける人を「レシピエント」といいます1)。
臓器移植は、死亡されたドナー(脳死ドナー・心停止ドナー)から臓器を提供していただく死体臓器移植と、生きている健康なドナー(生体ドナー)から臓器の一部を提供していただく生体臓器移植に分かれます1)(「臓器提供の種類」参照)。
脳死ドナーとして臓器を提供する場合の条件には、運ばれた病院が脳死臓器提供指定施設※1であること、法的脳死判定(「脳死について」参照)がなされること、提供したい臓器が健やかであること、感染症やがんなどがないこと、臓器提供について家族の同意が得られることなどがあります。
心停止ドナーとして臓器を提供する場合には、手術室がある病院であれば提供可能です。
そのほか、脳死ドナーの場合と同様、心停止ドナーとして臓器を提供する場合の条件には、提供したい臓器が健やかであること、感染症やがんなどがないこと、臓器提供について家族の同意が得られることなどがあります。
また、脳死ドナー・心停止ドナーとして臓器を提供する場合の年齢条件(望ましい年齢)が臓器ごとに定められています(肝臓を除く)。
ただし、18歳未満では、虐待が行われた疑いのある児童からの臓器提供を行わないことが決められています。
生体ドナーは、原則的に親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)に限定されます(「臓器提供の種類:図2」参照)。
そのほか、生体ドナーとして臓器を提供する場合の条件には、手術に伴うリスクについて十分理解していること、自発的な臓器提供の意思があること、医学的に臓器提供が可能であることなどがあります。
生体ドナーとして臓器を提供する場合の年齢条件は臓器ごとに定められていますが、年齢制限の基準は移植を行う施設によって異なる場合があります。
など
監修:石田 英樹先生 東京女子医科大学病院 移植管理科 泌尿器科 教授