〈移植手術に関連する主なトラブル〉1)
- 出血
- 血栓ができて血流が悪くなる
- 創部※2が痛む
- 移植した臓器が機能しない
- 肝臓移植後:消化管の壁に穴が開く、胆汁が漏れ出るなど
- 腎臓移植後:尿管と膀胱のつなぎ目から尿が漏れるなど
- その他、各臓器における合併症
臓器移植を知る
臓器移植後には、患者さんが持つ免疫※1によって、移植された臓器が攻撃される拒絶反応という合併症が起こる可能性があります1)(「合併症:拒絶反応」参照)。
この合併症を抑えるため、移植後は免疫抑制薬を飲み続ける必要があります1)。
免疫抑制薬を飲み続けることで、細菌・真菌、ウイルスなどの病原体に対する抵抗力が低下します。そのため、臓器移植後は、さまざまな感染症にかかりやすくなります1)。
また、移植手術の処置(カテーテル挿入、人工呼吸器装着、創部※2の処置など)に関連して起こる感染症や、提供臓器から病原体が持ち込まれて起こる感染症、患者さんが保有していた病原体が再活性化して起こる感染症などが起こることもあります2)。
発症しやすい感染症は、移植後からの経過時期によって変化していきます1)(図1)3)。
免疫抑制薬の投与量が多い移植後3カ月ぐらいまでは、特に感染症に対して注意が必要です1)。
臓器移植後の合併症としては、拒絶反応以外に、移植手術に関連するトラブルや免疫抑制薬の副作用などが起こることがあります1)。
監修:石田 英樹先生 東京女子医科大学病院 移植管理科 泌尿器科 教授