ADHDについて

はじめにはじめに

このサイトはADHDのお子さんや保護者がよりよい支援を受けられるように、教育関係者の皆様にADHDのある子どもの持つ特性を知っていただくとともに、保護者とのコミュニケーションや学校内・外の連携、ADHDのある子どもへの対応、学級運営のコツなどの情報を提供します。
18歳以下のADHDの有病率が約5% 1)であることが海外の学術論文で報告されており、40人程度のクラスであれば1~2人いる計算になります。ADHDのある子どもはその特性に基づいた困難を抱えています。ADHDのある子どもの特性は、わがままやふざけているように見えたり、またその特性の原因が、家庭でのしつけの仕方や本人の努力不足にあると捉えられることもあります。したがって、ADHDのある子どもを指導する教師の方々は、正しい認識のもと子どもに接することが大切です。
ところで、ADHDのある子どもへの支援はどうあるべきなのでしょうか。日本国内で発行されている診断・治療ガイドライン 2)によれば、「不注意」「衝動・多動性」を緩和して学校や家庭で暮らしやすくすることであり、子ども本人がADHDを自分の特性として受け入れていけるようになることを目指すとされています。しかし、家庭や学校において支援が遅れ、叱り続けるなど不適切な対応が多くなると、子どもが反抗的になったり、気分が落ち込んだりと子どもにとって良くない状態が起こってしまう可能性があります。
そのため、教師や保護者はできるだけ早く支援を始めることが大切だといえます。子どもたちは
1日の大半を学校で過ごすため、早期に気づき、支援を開始するためにも、教師の存在は欠かせないものといえます。学校での様子が医師による治療方針の参考になる場合もありますので、診断や治療においても学校の協力が必要となることもあります。ガイドライン2)でも、学校との連携は環境整備という点において重要視されています。教師がADHDについての知識や対応を理解していることは、ADHDのある子どもや保護者を支援していく上で大切といえます。このサイトが教育関係者の方への支援になり、ADHDのある子どもが健やかに成長できることを願っています。

1) Guilherme Polanczyk et al.: The worldwide prevalence of ADHD: A systematic review and metaregression analysis.
Am J Psychiatry. 164(6): 942-948, 2007
2) 齊藤万比古: 注意欠如・多動症―ADHD―の診断・治療ガイドライン.第4版, じほう, 2016

監修(五十音順)

  • 医療法人南風会万葉クリニック 子どものこころセンター絆 センター長 飯田 順三 先生
  • 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 知的・発達障害研究部 部長 岡田 俊 先生
  • 白百合女子大学発達心理学科 教授 宮本 信也 先生
  • *監修いただいた際のご所属先とは異なります
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