親が子どもに神経発達症があるという現実を受け入れるのは容易ではありません。障害受容の過程には時間がかかるものです。そのためにはまず、「その子にどのような特性があるのか」「何に困っているのか」ということを知っておくことが大切といえます。
ADHDのある子どもの特性は、その子の適応しにくさではありますが、視点を変えることにより、長所として捉えることもできます。ADHDのある子どもに適切な支援を行っていくために、子どもの特性をポジティブな面と捉え、対処していくようにしましょう。
- ● 物事をやり遂げることが難しい
- 切り替えが早い
- ● 順序立てることや整理整頓が難しい
- 斬新なアイデアが思いつく
- ● おしゃべりが過ぎる
- 積極的にコミュニケーションをとる
- ● 質問が終わる前に答えてしまう
- すばやく反応できる
飯田順三先生・岡田俊先生・宮本信也先生のご意見により作成
このような特性について、「どうしてあなたはできないの」と責めたり、罰を与えたりしたところで、事態は改善しないばかりか、子どもとの関係に悪影響を及ぼすおそれがあります。「二次障害」のところでも述べていますが(「 ADHDと二次障害」の詳細はコチラ)、否定的な感情の積み重ねは子どもの自尊心を下げてしまいます。「課題を短く区切って細かくフィードバックをする」、「メモをとるように指導する」、「終了時間前に予告する」、「できたことや待てたことを適切に褒める」など、子どもが適切なスキルを学べるように指導しましょう(「ADHDの特性に応じた関わり方」の詳細はコチラ)。
監修(五十音順)
- 医療法人南風会万葉クリニック 子どものこころセンター絆 センター長 飯田 順三 先生*
- 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 知的・発達障害研究部 部長 岡田 俊 先生*
- 白百合女子大学発達心理学科 教授 宮本 信也 先生*
- *監修いただいた際のご所属先とは異なります