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卵巣がん患者さんたちの体験談を紹介します。

卵巣がん患者さんの体験談3

病気も包み隠さず接することで元気に

診断後9年、50代

もし働けなくなったら、
生活はどうなるのだろうという不安

卵巣がんが見つかるまでの経緯や告知を受けたときのことを教えてください。

私は以前、睡眠不足で食事も不規則といった忙しい毎日を送っていました。もともと生理痛が重かったのですが、卵巣がんが見つかる約1年前から生理不順がひどくなり、お腹だけが太っていきました。さらに、食べると下痢をするようになったので消化器内科に通い始め、最終的にエコー検査で腹水があると分かりました。翌々日には紹介で別の病院に行くことになっていたのですが、腹水の痛みに耐えられなかったため緊急でその病院に行きました。そこで卵巣の腫れを指摘されて、婦人科で検査を受けた結果、Ⅳ期の卵巣がんであると告知を受けたのです。告知を受けたときは、何も考えられず先生の説明を聞いているだけでしたが、その後、友人に卵巣がんのことを伝えたときには涙が止まりませんでした。当時は、病気や治療のことよりも、「働けなくなったら生活していけなくなるのでは」という現実的な不安の方が大きかったと思います。



病気のことを隠さず伝え、人と接することで元気になれる

治療中はどのような生活を送られていたのですか。

私は職場の仲間には最初から病気のことを隠さず伝え、治療中も仕事を続けていました。仕事をすることで、「世の中とつながっている。一人じゃないんだ」という気持ちを持ち続けられたことは、大きな意味があったと思います。また、友人にも病気のことを伝えていたので、治療中も変わらず友人と楽しく過ごしており、人と接することで元気になれることを実感しました。

卵巣がんになったことで、ご自身の考えはどのように変化しましたか。

私は1年目に脳転移を経験しました。また、同じ病気の友達が旅立っていって、明日は必ず来るものではない、普通にできることが決して当たり前ではないということを痛感しました。そして、以前の私は「自分がやらなくては」とか「負けたくない」という気持ちでハードワークをこなしていたのですが、病気になったことで、命を削ってまでする仕事はないと思うようになりました。このことは、私の人生の大きなターニングポイントになったと感じています。



治療期間中に気になったことはメモに書いて先生へ

先生とのコミュニケーションで工夫されていることを教えてください。

抗がん剤治療中には様々な症状が現れましたが、そのことを先生に訴えても取り合ってもらえないことが多く、不満に感じていた時期がありました。そのことを自分のブログに書くと、信頼する友人から「不安を感じるかもしれないけど、先生を信じて大丈夫だよ」と言われました。そのアドバイスを受けて、とにかく先生に伝えていこうと考え、診療までの期間に気になったことをメモに書いて先生に渡すことにしたのです。先生はメモを見て特に何も言わないこともありましたが、内容について質問したり、その後の様子を確認したりされるようになりました。主治医とのコミュニケーションでお困りの方には、メモの活用をお勧めしたいと思います。



同じ病気の患者さんへのメッセージ

ネガティブな考えはなるべくしない方が良いと私は思っています。なるべく笑っていられたらいいのですが、それもなかなか難しいこと。私自身は、一人のときに声をあげて思いっきり泣くようにしていました。これは意外にスッキリするのでお勧めです。そして、「よし、明日はなんとかなるかな」と気持ちを切り替えたら、一歩でも前に進むことができると思います。