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手術の後や、化学療法の実施中に仕事や家事を行う場合は、次のことに気をつけましょう。
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卵巣がんになって患者さんが悩んだことと、そのケアを紹介します。
手術の後や、化学療法の実施中に仕事や家事を行う場合は、次のことに気をつけましょう。
手術後の家事や運動については、担当医とよく相談してください。手術の傷の状態が安定し、家事などの日常生活が元通りにできるようになったら、体力の回復に合わせて散歩など軽い運動から始めてください1)。
退院後1ヵ月程度は、重い荷物の上げ下ろしや背伸びをして行う作業など、お腹に力がかかる動作を避けてください。お腹に力がかかることによって、腹壁ヘルニアを起こしたり、むくみ(リンパ浮腫)が悪化したりすることがあります。お腹に力がかかる動作には次のようなものがあります2)。
通勤で電車やバスを利用する場合は、座れる時間帯に利用するなどの工夫をします。仕事を再開してから3ヵ月程度は、通勤時間を調整したり、お腹に力がかかる作業を避けたりするため、職場と相談しましょう。
腹壁ヘルニアとは、手術で縫い合わせた左右の腹筋が開いて腸が飛び出す状態のことです。腹壁ヘルニアが起こっても、多くの場合は、横になってお腹の上から腸を撫でると元に戻ります。予防のためには、退院後1ヵ月は腹帯やガードルなどで腹筋を押さえます。リンパ節を取り除いた場合は、リンパ液の流れを止めないように腹帯を使用します。
手術でリンパ節を取り除くと、むくみ(リンパ浮腫)が起こることがあります。日常的なストレスや、睡眠不足による疲れがむくみの悪化につながることもあります。疲れを感じたら早めに休むことを心がけ、無理をしないようにしてください3)。
長時間立ち仕事を続けるときは、こまめに足を上げるようにすると、むくみを予防することができます。会社でデスクワークをするときは、机の下に台を置いて足を乗せ、足を伸ばすようにします4)。
がん治療による副作用の予防やケア(支持療法)が進歩しているため、入院せずに仕事や家事などの日常生活を続けながら、通院(外来)で化学療法を含む薬物療法を受けることができます1)。会社や自宅で副作用が起きたときのために、予想される副作用とその時期、対処方法などについて、あらかじめ説明を受けましょう。診療の際に、不安なことや疑問に思うことを相談しておくと、安心して治療を進めることができます。
化学療法の副作用として、以下のものが代表的です5)。
あらわれる副作用は薬剤の種類によって異なり、その程度にも個人差があります。症状がつらい場合や、気になる症状がある場合は、医師や看護師、薬剤師に相談してください。
日常生活を送る上で、次のことを心がけてください6)。